帯ベルト「結いおび」ができるまで

帯ベルト「結いおび」ができるまで

2024年2月都内某所にて行われた着物撮影。
ブランカ監修に際してブログのタイトルにもなっている
「メゾンアッシュ」の製品を起用させていただきました。
着物スタイリングの起点やコンセプトの主役は「メゾンアッシュ」の「結いおび」

メゾンアッシュの結いおび@kimono.remake2020のInstagramプロフィールを見る

どんな作品にしようかな…と構想に胸を膨らませ…そうワタシ、思いついちゃった♡
スペシャルゲストを召喚しよう!っと♪

アブラカダブラー!

 

 

えっ?これって召喚魔法じゃない?

まあ、めでたく召喚できたのでなんでもいいんです。

召喚したのはブランカとは2度めのコラボになる
着物研究家のシーラクリフさん!

 

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シーラさんに結いおびを素敵に着こなしていただきました。
▼出来上がった作品はこちら▼

 

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どーんと主張の強い結いおびに合わせてヘアメイクも大胆に。
※特定の民族などを模したものではありません。

さすが完璧にご自身のものにされている!素敵すぎる!

アフリカンパブリックを用いたインパクトのある柄、
ビスチェとベルトの中間のようなデザイン…
結いおびの特徴が際立つよう着物は黒留袖を合わせました。

いつも私が作品撮りを行う場合は全体のディレクションや着付け、スタイリングから衣装選定ま私一人で行ってるのですが今回はスタイリングに
なんと!シーラクリフさんも参加してくださることになり、二人でスタイリングテーマを合わせて共作!!

シーラさんにはモデルもお願いしつつも、他のモデルを起用したスタイリング&着付け&衣装までも依頼したところ
快く引き受けていただきました!←神!

そして出来上がったシーラさんスタイリング・ブランカが全体ディレクションした作品がこちら▼

文句なしにかっこいい・・・♡
こうしてブランカ✕シーラによる結いおびを使った2作品が完成したわけですが、ここまで出来上がるには一言では語り尽くせないストーリーが!
最初に衣装コラボのご依頼とご相談をした際にメゾンアッシュの代表ハマシマさんに私から「撮影現場見学も可能ですよ」と軽い気持ちでお声がけしたところ
長野から東京までわざわざ上京!お会いできることに!

せっかくの機会なのでメゾンアッシュのハマシマ様へ対談&インタビューをお願いすることに。その内容をブログにまとめました。
撮影現場の様子も掲載してるのでぜひご一読ください。


<<目次>>

1 メゾンアッシュの出発点
2 結いおびへの思い
3 結いおびはどこで買える?
4 撮影風景や現場での様子
5 結いおびの撮影を終えて
6 結いおびのレビュー記事も合わせて読む

※ここからはハマシマさん、ブランカ主に二人の対談形式でお届けします※

<<都内某所での撮影日、シーラクリフさん撮影前のメイク時間を利用して対談を行いました。>>

1 メゾンアッシュの出発点

ブランカ:まず今回は私の企画する着物での作品撮りに商品リースのご協力いただきましてありがとうございます。
今日は撮影当日なんですが撮影にも立会いにいらしていただきありがとうございます。
まさか作り手であるハマシマさんとご対面できるとは思っていなかったのでとても嬉しいです。
いまお住いは長野なんですよね?

ハマシマさん:はい、長野県飯田市です。
生まれ故郷です。
進学で東京に来て卒業後も東京で働いてましたが、Uターンで数年前に地元に戻り起業しました。

ブランカ:実はお会いする前に長野県飯田市が発信しているI-Port biz のブログでそのあたりは読んでいて存じ上げておりました。
地元のコンペでハマシマ様のブランドメゾンアッシュの「結いおび」が賞を受賞されたんですよね。
快進撃ですね!おめでとうございます。

▼メゾンアッシュの結いおびは2021年度「飯田市起業家ビジネスプランコンペティション」にて入賞を受賞している▼

 

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その時獲得した賞金を利用し、メゾンアッシュのアトリエが完成 したそうだ
I-Port bizより転載 ←詳細はこちらより

ブランカ:飯田市に戻られて間もない頃に受賞されたのでしょうか。
素晴らしい功績ですね。
ハマシマさんが生まれ故郷の飯田市へ戻ったのはやはり故郷で錦を飾りたいなどの思いがあってのことですか?

ハマシマさん:そうなんです。ありがとうございます。
故郷へ錦を飾る、というと大げさですが地元でなにかおもしろい取り組みをしたい、
生まれ育った故郷で自分の得意なことでなにか還元できることはないか?という思いが強かったんです。

私は結いおびだけでなく、ブライダルでドレスデザインや制作も行っているのですが地元にアトリエを構えて一人で制作しているので、
東京のプロの着物スタイリストさんから声をかけていただけたのはすごくありがたかったです。
同時に「なぜメゾンアッシュに声をかけてくれたのかな?」と不思議でした

ブランカ:メゾンアッシュのインスタグラムのアカウントは偶然見つけて見ていたんです。
掲載しているお写真もセンスがよかったので一目で「このつくり手さんは着物だけをやってきた人じではなさそうだな」とすぐに分かりました。
私も元々アパレル業界が長く、着物の仕事を始めたのはここ数年です。
勝手に親近感を感じたといいますか。

ハマシマさん:ブランカさんは元々アパレルなんですね!
だから幅広いティストの作品や和洋ミックスなどが多いのですね。
他の着物の方とはなんと言いますか…、一線を画している印象でした。

ブランカ:ありがとうございます。私よりも着付けが上手い人や着物に対して深い知見がある方はいくらでもいると思ってるんです。
ただ人が真似できないような独自のスタイリングを作ったり、新しい価値観をリノベーションして
提案するようなスタイリングを生み出せる人は今の着物業界では決して多くないと思うんです。
少なからず私がアパレル時代の培った経験や知見が今の着物スタイリストとして仕事に役立ってますし、他者と差別化できる部分でもあって・・・
そこは自信を持てる部分です。

ハマシマさん:アパレルやファッションへの関心が着物に繋がった同士ですね。
それに今回、ブランカさんにお声がけいただいてシーラさんがモデルをしてくださると聞いてそれも驚きました!

シーラさんは以前私もテレビに出演されているのをお見かけしたことがあったのでまさか今回着用いただけるなんて夢にも思ってもいませんでした。
私も嬉しかったですが、母に話したらすごく喜んじゃって色んな人に自慢してました(笑)

ブランカ:着物に詳しくない方でもシーラさんのことを知っている人も多いですよね。
シーラさんにお召しいただくことで「結いおび」が今よりもさらに多くの方々に知っていただくきっかけになれば私も嬉しいです。

メゾンアッシュの目をひく「結いおび」製品の数々、そして使用例などはぜひ
@kimono.remake2020をご覧になっていただきたい

2 結いおびへの思い

ブランカ:結いおびを作ろうとおもったきっかけや経緯について知りたいのですが、元々ハマシマさん自身が着物が好きだった、などですか?

ハマシマさん:着物や和装を見たりすることは好きではありましたが、自分で着たりすることはあまりなくて。
ずっとアパレルやブライダルのドレスデザインをやってきたりしていたので完全に洋裁中心でした。
ただ故郷の長野県飯田市に戻ってきたらまわりで茶道や華道などの習い事をしてる人焼付の先生など意外と地元に着物文化が根づいていることに気づいたんです。

それを目の当たりにして私の強みを活かしつつファッションアイテムのポイントとなるような製品が作れないか?
と考えた末に「結いおび」が生まれたんです。

いざ自分で着ようと思うとやはり着方が難しかったり、ルールなども多くて気軽に着れない…
だから「結いおび」がそんな人たちの悩みを解決できたらよいな、と思っています。

ブランカ:たしかにこのデザインなら帯結びに自信がない着付け初心者はもちろん
普段あまり着物を着ない人も簡単につけれる
のでいいですよね!
しかも洋服と合わせてもぜったいかわいいと思いました!

ハマシマさん:ありがとうございます。浴衣や着物どちらにでも使えますし、洋服にもおすすめです!

3 結いおびはどこで買える?

ブランカ:結いおびが欲しい人はどちらで購入できるのでしょうか?
ネットショッピングなどでも販売していますか?

ハマシマさん:いまは催事会場でのイベント販売が中心ですね。
一点モノなので在庫がそこまで多くないのもあって。

ブランカ:催事は長野県内で出展することが多いでしょうか?
メゾンアッシュはデザインから制作までハマシマ様お一人ですよね。
イベント出展もされるとなかなかお忙しそうですね。

ハマシマさん:県内が多いですが、たまに県外も出展しています。
昨年は下北沢のイベントに出展してその際は水引のワークショップも開催したのですが好評でした。
ワークショップに人がけっこう殺到してしまってかかりきりに…
嬉しい反面、販売の手が回らなかったですね。
伝統工芸に触れるワークショップって人気あるんだな、と思いました。

 

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ワークショップや催事の情報はメゾンアッシュのインスタグラムから♪

ブランカ:伝統工芸に触れるワークショップは都内でもたくさん開催されていて人気あるみたいですね。
今はモノ消費よりコト消費の需要が高い、という背景もあるのかもしれないですね。

ハマシマさん:伝統工芸に触れる機会が普段なかなかないからこそ関心が集まるのかもしれないですね

ブランカ:私の場合、スタイリスト業がメインのため商品販売は現状行っていないですが、やはり製品を作ってエンドユーザー様に購入していただく、
ということはけっこうハードルが高いのでは?と感じます。そのあたりはどう思われますか?

ハマシマさん:はい、私も難しいなと感じることはあります。
人々の価値観も多様化しく中で安くてかわいいものも巷にたくさん溢れているので。

ブランカ:そうですね、しかし作り手側からしたら、薄利多売で使い捨てされてしまうものを作るのではなくどうせなら長く使っていただける上質なものをお客様へ届けたい、
という人が多いと思います。
そうなると製品の価格は決して安くはならない。
価値が分かる人はわかるけれど、分からない人は価格だけで「高い」と思ってしまって買わない人もいる。

そこがパラドックスとも言える部分でこの売り手と買い手のギャップを埋めるためにはどんな施策が売り手側には必要なのでしょうね。

ハマシマ:難しいですね。まして若い人は金銭的な余裕も無かったりするので。

ブランカ:個人的な意見にはなってしまいますが、私は子どもたちへの教育現場へもっと伝統工芸などを持ち込むことがキーになると考えているんです。
えっと、わかりやすく言うと例えば、図工の時間に友禅の手描き体験や着物の染めの職人を学校に招いて実演する、家庭科の時間に着付けの先生を呼んで着物の着付けをしっかり習う、など
幼い頃からの教育プログラムの一環として伝統工芸が近い環境を作れば幼い頃からもっと興味を持つ人が増えるのではないか?と。

例えばシーラさんみたいな有名なインフルエンサーさんを小学校などに招いて授業などしても面白いですよね。
国や自治体をあげて伝統保持のためにもっとそういうところに予算を増やすなど行政規模での取り組みが必要だとは感じております

ハマシマ:たしかに幼い頃から伝統工芸や職人の技術に触れる機会が多くなれば今よりももっと興味を持つ人が増えるかもしれないですね。

ブランカ:後半は思わず着物や伝統産業の継承の話になってしまいましたね。
メゾンアッシュのさらなる展開を私も楽しみにしています。
インタビューありがとうございました!
撮影スタジオへこれから移動!です。はい皆さん急いでご移動しますよ〜

ハマシマ:ありがとうございました(笑)

▼こうして対談してる間にシーラさんのヘアメイクが着々と仕上がっていくのでした▼

4 撮影風景や現場での様子

シーラさんのヘアメイクも終わり、シーラさん、ハマシマさん、ヘアメイクさんブランカの4人はタクシーで都内の撮影スタジオに移動し、スタジオで本日のフォトグラファーと合流。
ここでスタジオ設営&着付けとメイクの最終仕上げが終わり、いよいよ撮影スタート♪

くるくるポーズを変えてくれるシーラさん!ポージングがプロです!
撮影手直し中
ポージングを試行錯誤

午前中のシーラさんの撮影が無事終了。
午後は別のスタジオにてゲストモデルをお招きし、シーラさんスタイリング監修の撮影が始まります。

スタジオは平和島のpodbase !レトロフューチャー感が雰囲気バツグンのおしゃれスタジオ!
一同テンション上がりまくりながら仕込みスタートです。


広いスペースにはマニアなら泣いて喜ぶスペーシーなヴィンテージインテリアや家電の数々。
平和島駅からアクセス3分の好立地!podbaseにて

スタジオ内にて着付け中
シーラさんスタイリングのモデル撮影シーン

時間もタイトな中で完璧に仕上げてくださるコラボメンバーたちが優秀すぎる!!もうみんな仕事出来杉クンなのです!ありがたや。

5 結いおびの撮影を終えて 

今回はシーラさんとブランカで共通のテーマで「結い帯」✕「黒留袖」という縛りをあえて設けた。

結いおびを際立たせる商材として「黒染めの生地」が最適解と判断したことも理由だがそれ以外にも着用シーンが少なく、タンスの肥やしになっている黒留袖にフォーカスをあてたい、という個人的な思いも強かった

ブランカとシーラさんが共通の商材という縛りがありつつも自由な発想で生み出したスタイリング。
出来上がったのは世界観が異なる2作品。
黒留袖をカジュアルダウンしてファッション要素を全面に出す。”fun”(たのしむこと)に素直に、正直に。

右 シーラさんスタイリング  左 ブランカスタイrング ※写真無断転載禁止
シーラさんとブランカのSNS等でも随時公開していくので楽しみにお待ち下さい。

最後にブランカ&シーラさんで二人で並んで記念撮影♪

6 結いおびのレビュー記事も合わせて読む

!近日中にアップ予定!しばしお待ち下さい (2024年3月1日(金)時点)

coming soon  !!

<<メゾンアッシュ プロフィール>>

<名前> 濱島由香 ハマシマユカ

<略歴>
長野県飯田市出身。高校を卒業後、東京へ上京。
服飾専門学校卒業後に学スタイリストアシスタントやデザイナーとしてキャリアを積んだのち2020年に故郷飯田市へUtターンと独立起業「MAISON H(メゾン・アッシュ)を立ち上げる。
21年3月に発表した、『結いおび』で2021年度の起業家ビジネスプランコンペティションにて入賞。
現在は結いおびのデザインと制作のみならずブライダルドレス事業やアクセサリー、リメイク事業なども展開している。

 

▼メゾンアッシュ各SNS▼

https://www.instagram.com/kimono.remake2020/

https://www.instagram.com/h.weddingdress2020/

https://www.instagram.com/ash_accessory/

https://h-wedding.tumblr.com/

 

着物スタイリスト ブランカ
  • 企業向け着物スタイリスト。
    着物に新しい価値観を。
    着物はお洒落でかっこよくて、楽しい服、
    貴方が着物を着てみたくなるよう
    温故知新をテーマにスタイリングを
    提案しています。
    自身の作品はインスタグラムにて公開中

    Instagram@kimonostylist_blanca_
    Twitter @blanca_kimono
    お仕事依頼はDMからお願いいたします。

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