南天と軍鶏が描かれた手描き友禅の半襟に魅せられた着物沼の住人ブランカの半襟愛。

南天と軍鶏、伊藤若冲に魅せられた半襟

 

紬の着物に半幅帯のようなシンプルなふだん着物。


今回、注目してほしいのは私の襟元。半襟にご注目!

 

描かれているのは「南天と軍鶏 」です。
日本画好きな人なら、ピンときた人もいるかも?

どーん。 

 


そうです、江戸時代に活躍した鬼才の日本画家、伊藤若冲の代表作「南天雄鶏図」(1765年)が半襟のデザインのモチーフになっています。
南天と軍鶏のトサカの赤、軍鶏の体の黒、色彩の対比が美しい若冲の傑作が半襟に!


写真:エムズジャポンアートスタジオ

それぞれが絶妙なバランスをもって配置されてるので半襟の出し方を考えたり縫う位置をずらしたりすることで違う表情が楽しめます。
今回はエムズジャポンの半襟の紹介と合わせて、半襟の役割や半襟のコーデについてなど綴りました。


目次

  1. 半襟は下着??半襟の役割と歴史
    1-1.半襟の歴史
    1-2 黒い掛襟の流行
  2. 半襟のお洒落とコーデのコツ
    2-1.半襟のみせ方に決まりはあるの?
    2-2. 半襟のTPOとは?
    2ー3. 半襟、伊達襟、重ね襟、襟元を華やかに♪ 
  3. エムズジャポンの半襟について

    1. 半襟は下着??半襟の役割と歴史

半襟は汗や皮脂で汚れやすい首回りの汚れがダイレクトに襦袢につくのを防いでくれる汚れ防止の実用的な側面から発祥しました。

実用性重視で生まれたもので襦袢の襟元に縫い付けて、汚れたら付け替えて洗うものです。
ということで半襟のカテゴリーは「下着」に分類されます。

 

半衿は簡単に縫い付けて取り外せるので、衛生的!

1-1.半襟の歴史

歴史は定かではありませんが安土桃山時代にはすでに半襟は使われていたと言われています。
理由は簡単、着物は毎日洗うものでは無いから。

 

1-3 着物の洗濯頻度と半襟の関係性

半衿や掛け襟が発達した安土桃山時代や江戸時代は庶民は麻や木綿などの洗える素材の着物を着ていることがほとんどでしたが、それでもとくに身分の高い人でもない限り、庶民派数日同じものを着て洗濯は汚れたら、着物は「洗い張り」といって縫い目を一度すべて解き布の状態に戻して洗濯する方法も用いられますが、洗い張りは仕立て直しも必要になり手間もかかるためシーズン毎に行うくらいだったでしょう。
日本で洗濯機が普及したのは終戦後以降なのでまだ100年も経っていません、それまでは洗濯機などはもちろんないので川や井戸水などですべて洗濯していました。けっこうな重労働であったでしょうね。

1-2 黒い掛襟の流行

上着の衿に汚れを防ぐための黒い掛襟(黒襟とも呼ばれる)を掛けるのは江戸時代に流行しました。
掛襟は、髪の油が衿に付かないためのものでした。汚れ防止の役割なので色は黒など濃い色が主流だったようです。

イラストのような黒い襟×着物の組み合わせの着物姿をテレビや映画の時代劇で見たことがある人もいるのではないでしょうか。

 

町娘、茶屋の娘、と言えば真っ先にこのコーデが思い浮かぶ私。
黄八丈の着物に赤い帯×黒の掛け襟×日本髪の美人。江戸時代の世界観です。

 

江戸時代後期には、おしゃれの一つとして黒衿を掛けることが多くなったと言われています。
着物文化が成熟するにつれ、着物のお洒落に欠かせないものとして進化していきました。

 


2.半襟のお洒落とコーデのコツ

 半襟は着物からちらっと重ねてのぞかせます。
 角度やどのくらい柄を見せるか?などセンスや好みが問われます。

 

 参考までにブランカのふだんコーデから襟元の写真を抜粋してみました。

    •  鋭角気味に細く半襟をのぞかせるとすっきり粋な印象に


ウールの着物をこざっぱりと、リラックス感を出しつつ粋にみせたくて喉仏よりも少し開けて襟幅は細めに
袴の着付けは衣紋をあまり抜かないので、襟をシャープになります。派手な刺繍襟をすっきり見せたときの写真がこちら

きっちり白半襟を細めに着ればなんだかコンサバティブできりっとした印象。かっこいい着物姿にしたときにおすすめ。
ちなみに私はあまりこの襟幅はやらないのでトルソーに着せました。

たっぷりと抱き胸気味に半襟を出すとはんなりやわらかい印象に。

半襟の柄をたっぷりみせると顔回りの印象が変わります♪ 

ちなみに筆者が好きな大正時代の着物ファッション誌を遡ると華やかな半襟が流行したそうでなんでも着物よりも高価な半襟もあったそうな。

  • とはいえ、この時代は着物が日常着の人がほとんどでしたので着こなしや襟幅はバリエーションに富み自由です。

  • 著作権フリーの画像より


    アンティーク着物を着て大正浪漫ムードを高めたいときはついつい半襟をたっぷり出したくなりますね。おっと少し脱線しました。
2-1.半襟のみせ方に決まりはあるの?

そうそう舞妓さんの着こなしは刺繍の半襟をたっぷりみせていて可愛いですよね。


ちなみに成人式の着付けなどでも刺繍半襟や柄半襟を使うことが多いため、半襟をたっぷりと出すことが多いです。

 

 

上記の話をすると「半襟をたっぷり出すのは若い娘さん限定の着こなしなのかな…。」
と思う方もいるかもしれませんが、そんなことは一切ありません、年齢による半襟の出し方に決まりはありません。
反対に若い娘さんが半襟幅を細めに出していてもいてもいいのです。

その日の着物のテイストや自分の体格に合う理想の襟元を追求するとよいでしょう。

<まとめ>
半襟の角度や出し方は自由。

 

2-2. 半襟のTPOとは?

半襟も着物と同じであらゆる素材があります。正絹、絽、塩瀬、麻、縮緬、木綿から化繊まで。
正絹は手軽に自宅で洗えないのでフォーマルやちょっとしたおでかけに。

ふだんから日常的に着物を着る人の味方は化繊や綿、夏は麻や絽などではないでしょうか。
私もふだん着物で使う半襟は手芸屋さんで買った端切れだったり、手ぬぐいだったり自宅で洗える素材を選ぶことが多いです。

気になる半襟のTPOですが
基本は冠婚葬祭は白、茶会も白地が基本です。
カジュアルな式であれば着物に合わせて淡い色合いの半襟などもOKですが、濃い色や暗い色は敬遠されるので気をつけましょう。

 

白半襟+訪問着や付け下げはフォーマルな印象

 

紬の小紋に濃い色の半襟しかもポリエステル。これはやっぱりご近所着物スタイル。
汚れても目立たないという実用性をひしひしと感じるけど着物の知識がまったくない人にはどう見えてるんでしょう。

 

足袋も同じですよね。冠婚葬祭やお茶会でカラー足袋はNG。半襟もカラー半襟はカジュアル扱いなのです。
刺繍半襟はフォーマルに使うものでとくに金糸、銀糸などのおめでたい半襟は礼装向きです。

 

2ー3. 半襟、掛襟、伊達襟で襟元を華やかに♪ 

 

前述した通り、襟元お洒落は着物に欠かせません。とくに女性の襟周りの和装小物といえば半襟、掛襟、伊達襟でしょう♪

 

 

どれも華やかですよね。たった数ミリ襟元から覗いているだけでコーデの印象が変わるのか面白い。
簡単にそれぞれの用途を記載しておきます。

①半襟・・・襦袢の襟元に縫い付けて使用する。首周りの汗や汚れが直接着物や襦袢に付着することを防ぐ役割がある

②掛襟・・・着物の襟にかけて使う。着物の汚れを防ぐ役割もあるが写真のような装飾としても近年は人気がある

③伊達襟(重ね襟)・・・襦袢と着物の襟もとに挟んで使用する。おもにフォーマルの装飾品としての用途。


上記の写真は同じ着物と帯ですが襟元や帯揚げ&帯締めを変えたことで違った印象に見えるはずです。
洋服で合わせるネックレスを変えると、雰囲気ががらりと変わるように、半襟や掛襟、伊達襟を変えるだけでずいぶん印象が変わるものです。

 

補足ですが伊達襟(重ね襟ともいう)は準礼装~礼装に用いられます。喜びが重なるように、と成人式などでは伊達襟を2~3枚重ねる着こなしも人気。

小紋などには重ね襟は通常使いませんが、私は遊びでアンティークの付け下げ小紋などにポイントで伊達襟合わせることも。
冠婚葬祭や目上の人に失礼にならない襟元のアイテムの使い方で臨機応変に襟元のおしゃれを楽しんでもらいたいな、と思います。


3.エムズジャポンの半襟について

ブランカのインスタグラムでも紹介した素敵な半襟は「エムズジャポン」の商品です。

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

着物スタイリスト ブランカ✨温故知新&日常の一歩先へ✨(@kimonostylist_blanca_)がシェアした投稿

 

 

友禅の職人の手によって手描きで製作されたものです。
加賀友禅の修業を10年以上に渡り続けている職人さんがデザインから制作までの工程をすべて一人で行なっています。

エムズジャポンの商品は高いデザイン力と下絵の技術をベースにしながらどこか遊び心のある男女ともに楽しめるアイテムばかり。


商品というよりもアート作品に近い感覚を味わえます。

女性男性の半襟のほかにも、帯締めやその他こだわりの和のアイテムが沢山のショップです。
他の半襟も気になる…ほしい…

写真で使用した半襟は「エムズジャポンアートスタジオ」のMinneのサイトから通販で購入することができます。



【製品名】伊藤若冲 鶏に南天 半襟

【サイズ】約115×17
【素材】綿100% 微起毛、ブロード布

【価格】6,000円 (税込)

【URL】https://minne.com/@aimatu

【エムズジャポンインスタグラム】
 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(@ma_000222)がシェアした投稿


半襟大好きなのでまたブログで半襟をテーマになにか書きたいなー♪


 

 

着物スタイリスト ブランカ
  • 企業向け着物スタイリスト。
    着物に新しい価値観を。
    着物はお洒落でかっこよくて、楽しい服、
    貴方が着物を着てみたくなるよう
    温故知新をテーマにスタイリングを
    提案しています。
    自身の作品はインスタグラムにて公開中

    Instagram@kimonostylist_blanca_
    Twitter @blanca_kimono
    お仕事依頼はDMからお願いいたします。

和装 和 アクセサリー着物 きもの

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です