時代とともに変化する着物とアクセサリーの関係性とルールについて
扇アクセサリーの匠工房とブランカによる新しい企画コラボがスタートしました♪
扇屋本舗匠工房は和紙や日本の伝統工芸を用いたアクセサリーをハンドメイドで販売しているアクセサリーショップです。
現在、店舗はなくオンラインでの販売に加え卸やPOPUPなどをメインに販売しています。
今年2022年の春にもブランカとコラボさせていただいきました
この投稿をInstagramで見る
コラボの第一弾は匠工房の人気ロングセラー商品 祝(藤色、紫陽花カラー)とブランカによる着物のスタイリングです。
エレガント 藤色アクセサリー~ 祝シリーズ ~
色白さんの肌色に映える藤色の上品な和紙を使用したイヤリングは淡めの着物に合わせるとまとまりのあるスタイリングに♪
普段着物の小紋はももちろん、訪問着やつけさげ、色留袖などフォーマル、セミフォーマルの着物にも合わせやすいイヤリング。
匠工房の「祝シリーズ」はブランカが以前にも作品撮りで使用させていただき、その美しさと気品ある存在感に惚れ込んだアイテム。
こちらのシリーズは別のコラムでも書いています。
あわせて読みたい→「 匠工房の和紙をつかった和イヤリング。普段着にもいい感じ編 」
さて、着物とアクセサリーのスタイリングを提案してますが、着物初心者さんがまず頭によぎること、
それは・・・
「そもそも着物にアクセサリーって着けていいの?」
「どんな場所なら着物にアクセサリーが許されるの?」
ということ。これについて私なりの見解を解説しました。
興味ある人はぜひ読んでほしい。
↓↓↓
<目次>
1.着物とアクセ、令和3年時点での関係性
まどろっこしいのは嫌いなので先に結論から
結論・・・2022年時点で着物にアクセサリーは定番になりつつある。
普段着物を着ている人ならイヤリングやピアスなどの耳周りのアクセサリーはもちろん、指輪やネックレスなどに着物を合わせることは常識になってきています。
なぜなら着物の仕事に携わっている着物屋のスタッフや着物のデザイナー、着物の有名インフルエンサーなどもあたりまえのように着物×アクセを合わせているからです。
ちなみに私、ブランカもふだんのカジュアル着物でアクセサリーを合わせることが多い。
定番になりつつある理由としては「和洋ミックスの着物コーデが普及してきた(人気になってきた)こと。」が背景にあるだろう。
着物の和洋ミックスコーデとは?・・・着物に洋装のアイテムを組み合わせるスタイリングのこと。
その始まりは文明開化が進んだ明治以降の日本。
ブーツに着物、着物の下にシャツ、帽子を和装に合わせる、髪型も日本髪から短髪、洋髪の流れが庶民の間でも広がることにより普及していきました。
明治~大正時代のリアルな和洋ミックスコーデ
戦後以降のルール化された高級志向の着物ブームの中で一時期は影を潜めていたが2010年以降、SNSなどの影響もありも個性を発揮した和洋ミックスの着物スタイリングは若い世代を中心に人気が出てきた。
ブランカの和洋ミックスコーデ(普段着物の一例)
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
改めて見返してみるとあたり前かの如く、アクセサリー合わせてるな、自分。
襦袢の代わりにブラウスを着物の下に着る、ブーツやパンプスなどの洋服のアイテムを着物に合わせる、
そうなると、今まで着物と相性がよくないのではないか?とされていたアクセサリーがすんなりと合うようになる。
洋服文化にすっかり馴染んだ我々現代人にとって着物+アクセサリーは比較的、抵抗感が少なく合わせ方も難しくないと思う。
この投稿をInstagramで見る
少し前の投稿ですが着物×レースブラウス×ネックレスの和洋ミックスのスタイリング。
この投稿をInstagramで見る
大ぶりの揺れるピアスを顔回りの主役にした着物スタイリング
今さら「着物にアクセサリーなんて・・・」と言う人の方がよっぽど時代錯誤なのではないか?と思うほどだ。
これはあくまでも形式ばってない場所へでかける場合のふだん着物のケース。
ではここからが難題。
冠婚葬祭や入卒式は、フォーマルな場に着物を着てアクセサリーをつけていくのは本当にダメなのか?
これは非常に答えづらい問題だ。
「正式な場ではぜったいダメです」と断言してしまうことも
「いや、身に着けていってもいいです」ということもどちらも言いづらい。
これが正直な私のリアルな本音だ。
この問題に向き合うため、ネット上に挙がっているコラムなどをいくつも調べた。
するとおおよそだいたいこんな感じで書いてある。
冠婚葬祭やフォーマルな場では着物×アクセサリーは基本つけないのがベター。(結婚指輪を除く)
その理由はほぼ以下のことが書かれていました
①年配の方に「マナー知らず」だと思われるから。
②高級な着物や帯を傷つけてしまう恐れがあるから。
そして補足のようにあらゆるコラムや本で書かれていたこの一文も気になった。
↓
「フォーマルな場での着物にアクセサリーをつけることは正式にタブーと決まっているわけではありません」
つまり、フォーマルな場での着物×アクセの明確なルールは存在せず、
「個人のモラルやマナーの範囲で考えなさい」ってこと。
今言える結論はこれだ。
たとえばフォーマルな場において着物にアクセがダメな理由①年配の方に「マナー知らず」だと思われるから。
仮にもし、これがフォーマルな場において着物にアクセがNGの理由になるなら
同世代の人が多く、着物のルールやマナーに詳しい人がいない場所や許される場所ならおそらく何も言われない。
それどころか「おしゃれね、素敵!」なんて言われる可能性も高い。
フォーマルな場において着物にアクセがダメな理由②高級な着物や帯を傷つけてしまう恐れがあるから。
これについてはたしかに一理ある。
もし、高級な着物や帯がレンタル品だったら?
そしてそれがアクセサリーにひっかかって布がほつれてしまったり、生地に傷がついてしまったら、弁償・・・。
・・・これは怖いぞ。
ホラーではないか!!
しかしながら、これについては少しの対策で防げるのではないか?と思う。
着付けやヘアメイクをしているときはアクセサリーをつけず、支度が完成した一番最後にアクセサリーをつける。
これでかなりリスクは軽減できるはずだ。
冷静に考えてみてほしい、洋服のパーティードレスを着るときに胸元や耳元にアクセサリーをつける人も多いが
「パーティードレスが高級で傷つけるのが怖いからアクセサリーをしません、」
←こんな人いるの(笑)??おそらくいない。
高級服を着ていたらいつも以上に緊張感あるし、注意を払うはず。
それは和服にしても洋服にしても同じだと思う。
そして、なんなら値段で言うと服よりもアクセサリーの方が高級な場合も往々にしてある、
というポイントがこの理由からは欠落している。
なんだかこじつけ感強いんだよな。。。と思ってしまうのは私だけでしょうか。
そうマナーやルールは時代とともに変化する。
フォーマルな場での着物×アクセの概念もゆるやかに自由になってきている、と感じている。
30年~20年前 (1990年~2000年代)のフォーマル着物×アクセのマナー
- 着物にぶら下がりの耳飾りはNG
- 半襟の邪魔になるからネックレスはおかしい
- 指輪は引っかかるからダメ
ここ10年~現在(2010年~2022年)のフォーマル着物×アクセの新マナー - フォーマルの席でも周囲の状況に合わせてアクセサリーは適宜OK
- 着物とのスタイリングに合っていればぶら下がりのイヤリングやネックレスも許されるしかしながら、昨今の着物事情に明るくない人や排斥的な人たちが多い場所では理解されない場合も・・・。
人から批判されたり、他人から自分のファッションをケチをつけられるのが耐えられない!
って人はコンサバにノーアクセにしたほうが無難でしょう。 -
さあ、新時代のフォーマルな席での着物×アクセ、令和ルールを提案してみたがどうだろうか。
賛否両論あってもいいと思うのでもし私と違うご意見があればぜひお聞かせ願いたい。
2.ではなぜ着物×アクセがタブー視されてきたのか?
ここからは考察だが、それは戦後〜平和初期にかけての着物ブームにおける高級志向な着物との関係性があると推測できる。
2−1.着物×アクセサリータブー論は高級志向の着物産業から生まれた副産物?
とこんな感じの図式だ。
着物業界は戦後の庶民の生活変化を受けて産業縮小の苦境に立たされるも
1959年~1975年フォーマルウェアとしてブームが起こった。
この「フォーマルウェアとして」というのがキーワード。
この時に着付け教室など花嫁修業としての着付けや和の習い事が流行り
ルールも戦前より複雑化されました。
この「ルール」というのは実に謎で地域性や着付け教室、、〇〇きもの学院、呉服屋さんなどそれぞれの主張があり、乱立したので複雑化、細分化されたのに違いない。俗に言われる※着物警察と呼ばれる属性の人種はこの世代が多いとかなんとか、しらんけど。
着物警察とは・・・他人の着物や着姿に対して自分の意見を押し付けたり、批判したり、ときに手を出したりする人たちのこと。
以下は謎のルールの一例、おそらく戦前にはなかったであろう新たに作られたものと推測。
・着物と帯の格を合わせないといけない
・着用シーズンやTPOの細かい指定
・おはしょりや帯の高さや衣紋の抜き具合
戦前の庶民が日常で着ていた着物姿からはハレの日の装いへ。
着物は百貨店やデパートで高級品として販売され呉服業界全体が高級な着物の販売に力を入れました。
こうなると取り扱いもメンテナンスも繊細に。
そう、「気軽に着れる」もんじゃなくなったんです。
着物が高級品になってくると扱いも慎重に。
呉服業界 「着物そのものにお金をかけてほしい
(※本音:「宝飾品よりも着物や帯にお金を使ってくれ!」)」
↓
いっそ、着物に宝飾品をつけることNGにしたほうが都合がいいぞ
↓
着物×アクセ、タブー論が波及、拡散させていった
呉服屋さんにとって都合の良い「着物豪華主義」「高級着物志向」の考え方においては
着物へアクセサリーを合わせないスタイリング提案のほうが都合が良かった、と思わざるをえません。
ブランカお気に入りの高畠華宵のイラストのポストカード
4.着物とアクセサリーを自由に楽しもう
西欧の文化がどんどん国内に入ってきた明治中期以降〜。
とくに大正時代は髪型からファッションに至るまでとてもバラエティ豊かな時代でした。
和髪の人もいれば、短髪やパーマの女性もいて、着物姿の人もいれば洋服の人もいる、上記写真のポストカードの絵はそんな大正時代のファッションカリスマ絵師の高畠華宵のイラストです。
ショート丈の着物×パールネックレス×ハイヒール
今見ても斬新でおしゃれです。
戦前の女性たちは雑誌に描かれた人気絵師たちによる最新の着物コーデをみてこんな着こなしに憧れを持っていたんでしょうね。
大正時代中期〜昭和初期にかけてはこんな自由な着こなしが「着物のおしゃれ」だったということを感じてほしい。
戦後の着物はルールがたくさん出来すぎてしまったようです。
本来日本人の普段着で自由だった着物を型にはめてしまったことで、着物はハードルの高い、着にくい、難しい服になってしまったことはもう過去の話にして令和の時代はもっと自由に着物を楽しみたいですね。
そう、戦前のように。
着物で出かける「ちょっとしたお出かけ」とは?
さあ、アクセと着物を自由に合わせてでかけたいぞ!
と思ったものの
「一体どこへ?」
とおもった人はいないだろうか?
着物で出かける場所について悩む人は意外と多い。
私「この着物(付下げとか訪問着)はどこへ来ていけばいいですか?」
呉服屋さん「この着物ならちょっとしたパーティーにも着ていけますね。」
という類のやり取りをした経験があるのは私だけだろうか?
口には出せないけど脳裏では
「ちょっとしたパーティーって何???」
(脳裏)↓
いやいやたぶんこれは違う。。。
セレブなお屋敷での高級タコパーや鍋パーなら該当するのかもしれませんね。
縁がなくてピンとこないな・・・。
気を取り直して
「ちょっとしたパーティー」はなくても、
「ちょっとしたおでかけ」の機会なら誰でも作れる!
そんなわけで、私が実際に着物ででかけやすいとおもう
「ちょっとしたおでかけ実例」を紹介♪
5.「ちょっとしたお出かけ」の具体例
・友人との会食・・・・フレンチ、イタリアン、和食、アフタヌーンティー
・芸術鑑賞・・・・美術館、博物館、映画、観劇
・街歩き・・・・紅葉狩りや桜鑑賞、カフェ巡りや神社物件巡りなど
ブランカが考える着物での「ちょっとしたお出かけ」
↓
<結論>洋服で行く場所と同じでいい
こう考えてみると日常の延長線上で着物を着る機会は溢れている、と思えてきませんか?
とはいえTPOが気になる、加えて人目も気になる・・・
そんなお悩み、私も経験してきたのでとてもよくわかります。
特に着物を着はじめて間もないころや着物のコーデに慣れていないうちは
「これって正解なの?」と疑心暗鬼になることもよくありました。
不安な人へおすすめな解決策の一つとして
「着物で一緒におでかけできる友達を作ること。」を提案します。
最近は着物でお出かけするイベントの告知や友達募集をSNSで
呼びかけるのもあたりまえのようになってきましたね。
できるなら自分の好みの着こなしの人や価値観が合いそうな人と仲良くなるのが一番いいと思います。
あとは住んでるエリアが近いとか・・・
着物以外でも共通の話題がある、とか←(これけっこう大事)
着物友達と一緒にお出かけする場所を決めて連れ立って行動すれば、精神的にも心強い。
それに着崩れたらお互い直せるのはホント助かる(笑)
写真を撮りあいっこしたり、情報交換したり、おでかけする楽しみも増えるでしょう。
私も今後、着物好きの人たちが自由に集まれるイベントなど企画できたらいいな、と考えています♪
ちょっとしたおでかけの着物×アクセサリーのスタイリング例
淡めの色合いふんわり柔らかいイメージでまとめたスタイリング
(ブランカ私物より)※無断転載禁止
上記のスタイリングはブランカの公式インスタグラムのサブアカウント@hola.blanca_kimonostyleで実際私も着用しています。
ついでにチェックしてみてくださいね。
この投稿をInstagramで見る
今回のスタイリング例でご紹介した匠工房の扇形イヤリングと扇形かんざしは数量限定で販売しています。
なくなり次第終了なので、気になっている人は匠工房のサイトへ急いで♪
(A)*簪 Kanzashi* 数量限定 ~着物スタイリスト ブランカ×匠工房 コラボ商品~¥4,950
(B)*タッセル イヤリング* 数量限定 ~着物スタイリスト ブランカ×匠工房 コラボ商品~¥7,920
(※ピアス・イヤリングご希望の仕様をお選び下さい。)
2022年12月31日までに有効の20%OFFクーポンもあります♪
↓
クーポンコード⇒blanca001
(期間2022年10月8日~12月31日受付分まで)
カート精算時にクーポンコードを入力すると割引が適用されます。
なんとこの製品はデザインから撮影ディレクション、着付け、着物スタイリングまで私、ブランカが担当させていただきました。
着物だけでなく、洋服やパーティードレスに合わせてもかっこいいデザインなので、着物ユーザーもちろん、着物以外にも合わせたい!
って人もぜひつけてほしいです♪
そしてなんと
匠工房さんのアクセサリーは着物に合わせて和紙の色やタッセルの色味が選べるセミオーダーが可能!
ご自分の合わせたい服やシチュエーションを匠工房さんに希望を伝えて相談すると世界で唯一つの一点物のアクセサリーが手に入ります。
ブランカの数量限定アクセサリーのデザインでもセミオーダーは適応できるのでおすすめです。
詳しくは匠工房サイトの【お問い合わせ】を御覧ください
6.ブランカのコラムのまとめ
さて、今回は着物とアクセについて書きました。私の個人の主観も入り混じった上ですので各自でご判断ください。
今回のコラムまとめ。
-
令和の着物とアクセサリーのルールは寛容に
-
戦前の今よりも自由だった着物の着こなしを参考にして取り入れたい
-
着物でのちょっとしたおでかけは洋服で行く場所と差別化する必要はない
-
着物友だちがいれば楽しさ倍増
最後までお読みいただきありがとうございます。
着物スタイリストブランカのブログでは着物にまつわるあれこれや職人さんのインタビュー、私の自由研究などを徒然なるままに不定期更新しています♪
各SNSはマメに更新していますのでぜひ覗いてみてくださいね♪
HP https://blanca-timetrip-kimono-style.jimdosite.com/
Instagram @kimonostylist_blanca_
Twitter https://twitter.com/blanca_kimono_
Blog https://blancakimono.com/